今生の別れ。感謝の想いとともに。
- muratsubaki1002
- 2023年1月28日
- 読了時間: 2分
訪問マッサージの仕事をしていると、患者様と非常に長く深いお付き合いをするご縁に恵まれることがあります。
当院も来月には11周年を迎えますので、開院当初からの患者様ともなるとこの冬で約11年のお付き合いになる方もいらっしゃいます。毎週のように施術を受けていただきながら何気ない会話とともに時間を共にしていると、人としても施術家としても成長させていただけますので自然と思い入れも強くなるものです。
先日、平成26年の冬から約8年間お付き合いをさせていただいていた患者様と今生の別れの時を迎えました。お会いした当初から片麻痺と心臓に爆弾を抱えながらも、家族想いで優しくて男らしく、私の施術を「気持ちがいい」「先生のおかげだ」、茶目っ気たっぷりに「短い首を長くして待ってる」といつも笑顔で施術を受けてくださり、お亡くなりになる2日前の帰り際にも「またお待ちしております」と仰ってくださいました。あの声が今も思い出されます。昨年の夏に体調を崩して長期入院され、年末にご自宅に戻られてはいたものの厳しい状態ではあったので、心の準備はしていたのですが…
そして昨日、好物の羊羹を持ってご自宅に最後のご挨拶にうかがってきました。いつも献身的に介護をされていた息子さんから、最後を迎える時のお話をうかがいながら遺影の‘‘お父さん‘‘と向き合っていると、こみ上げるものが抑えきれず号泣してしまいました。「長生きしたい」とおっしゃっていたお父さんの頑張りにもっと応えたかった。自分が出来ることに限界があることは理解していても、人として治療家としてもっとお役に立ちたかった。この方に限らず、最期の別れを迎える時には毎度そんな想いに駆り立てられるのですが、今回ほどそう思わされたことはありませんでした。
ご自宅を出る際、息子さんが「またいつでも会いに来てください」とおっしゃって下さり、自然と「また来ますね」という言葉が口をついて出てきました。またお父さんに顔を見せに来たいと思います。
訪問マッサージは、人の晩年、その方の命と人生に深く関わる仕事です。それゆえごまかしの利かないシビアな状況も少なくない難しい仕事です。そんな仕事にここ数年ますますやりがいを感じるようになりました。多くの方への施術を通して、人としても施術家としても成長させていただきながら、恩返しをしていきたいと改めて思う次第です。
ブログの投稿も久しぶりになってしまいましたが、今後はいろいろ書いていかねば。
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