浮腫の話 ~心性浮腫やら腎性浮腫やら
- muratsubaki1002
- 2023年2月24日
- 読了時間: 4分
先日は東京都心でも数年ぶりにまとまった降雪が観測されるなどまだまだ寒い日も多いですが、立春を過ぎて暖かな日も増えてきました。
タイトルにある「心性浮腫」については、実は昨年の暮れに一度記事にしようと考えていたテーマなんです。その名の通り「心臓の機能低下」が原因となるのですが、その大きな引き金となるのが「寒さ」。冬になると毎年のように心臓に問題を抱えた患者様の脚にむくみ(浮腫)の増加が確認されます。
ただ今シーズンはその程度がシビアな方が多く、人数も例年以上、予断を許さない状況の方もいらっしゃいましたので、このテーマについて書くことに躊躇いがあり今に至ってしまいました。
※寒くなり始めた11月下旬~12月上旬頃に3名、年末にかけて1名増え、1月に入りさらに2名増えるといった状況でした。
浮腫をテーマにすると本当に様々な切り口から話ができるのですが、まずは『マッサージ師として』2つの視点から書いてみたいと思います。
① 命を守るシグナルを見逃さない
② 負のスパイラルを断ち切る
1つ目の【命を守るシグナルを見逃さない】ついては心性浮腫の患者様をケアしている時にとても大切な視点だと思います。毎週のようにお身体に触れる仕事ですので、浮腫の些細な変化については当然のように気付けます。また、ちょっとした動作時(歩行や寝返りなど)の動きの質の変化にもその影響が感じられることがあります。体動時の咳も見逃せません。さらに呼吸の質の小さな変化にもその兆候を感じ取ることは出来るものです。そんな時はパルスオキシメーターで血中酸素濃度をモニターします。
避けることのできない心機能の低下であっても、早い段階で気づけるか否かは状態の深刻化を防ぎ、迅速かつ適切な医療や介護体制につなぐという観点からとても大切なことです。
特に呼吸にストレスがかかり始めている時は要注意で、在宅医療を選択されている方はHOT(在宅酸素療法)などの対応となることもあります。
※血中酸素濃度の測定

※HOT(在宅酸素療法)
2つ目の【負のスパイラルを断ち切る】は脚の浮腫をマッサージでケアすることで日常生活レベルの過度な低下を防ぐという視点です。
病的な浮腫はその物理的な「量・重さ」が“足かせ”のように肉体的負担となるだけでなく、足関節や足部の可動性の低下や足底の不安定感につながったりもします。浮腫自体の原因が心臓などの内臓器の機能低下であるため体幹機能の低下(※腹に力がはいらない感じ)もその時点で生じています。そういった様々な要素が組み合わさって歩くことへの負担は日常の活動性を低下させますし、場合によっては転倒リスクにもつながります。
マッサージにより浮腫を直接体外へ出すことは出来ませんが、浮腫が下肢に貯留した状態を緩和改善することで、浮腫を減らし柔らかくして動きやすい状態を作ったり、精神的なストレスを緩和することは可能であり、マッサージ師の技量が試される部分です。
以下は施術前後の比較画像です。左が施術前 / 右が施術後
※ご本人、ご家族の了承を得て掲載
【症例1】※心不全などの特定の原因が無く、寒さが全身状態に悪影響を及ぼしたと疑われるケース


【症例2】※慢性腎不全が主原因となっているケース


強く生じた浮腫については、利尿剤が効くかどうかがとても重要なポイントにはなるのですが、印象としては心機能の低下などで急増した浮腫も心機能が安定すれば1か月くらいで何となく落ち着いた状態へと移行しています。そして2~3か月で徐々に消退していくといった感じでしょうか。
現に2月中旬を過ぎ、私の患者様のすべての方で浮腫の軽減が確認できていて、春に向けて収束傾向に入ったかなと感じています。
ただし、高齢であればあるほど活動量の低下した毎日の積み重ねが様々な機能低下(心肺、認知、運動機能など)を引き起こしますので、心身のストレスを可能な限り緩和させて、少しでも悪くない状態で過ごせるようにサポートできるかはととても大切なことだと感じています。
※ホームページの【症例】ページでも浮腫については詳しくご覧いただけます。
Kommentare